世界観 2016/09/20 ヴォイニッチ ~貨幣制度~ おおよそはじめまして、またはお久しぶりで。 『はじまりはじまり』から『おしまい』まで、 パンドラ童話集のあれやこれやに関する情報を収集している私、名前はヴォイニッチ。 本日ご紹介するのは、この世界の貨幣制度について。―貨幣の登場 初めてこの世界に『お金』が登場したのは、創生の神々がいなくなったあとの時代、『神話期』。 長耳族という亜人達によって作られたコインの原型となったものが貨幣に該当する。 なお、どうして長耳族がコインを作るようになったのかは別の物語(童話「金に願いを」など)を読むのがいいだろう。 この初期コインの登場で、今まで物々交換か自給自足を基本としていた生き物達に売買の概念が宿る。 そして時が移るにつれ貨幣制度を用いる民族、集団、国家が増えていき、御伽期あたりには世界のだいたいの場所で貨幣制度が普及した。―貨幣の種類 貨幣と聞いてまっさきこの世界の生き物が思いつくのが、前述の長耳族達が発行する通貨「ルナ」である。 単独での国を持っているわけではない彼らだが、世界の経済のあらゆる分野に食い込んでるだけあり信用度は高く、独自通貨を持たない国の多くは彼らの通貨を使用している。 そのため基軸通貨として扱われることも多く、世界を渡り歩く商人や旅人が持ち歩くのはルナであるのが一般的だ。 なおルナ通貨には主に3種類あり、「ルナ金貨」「ルナ銀貨」「ルナ銅貨」の順に価値が下がっていく。 一方で、ある程度大きな国は独自の通貨を使用することが多い。 ただし、ルナ通貨ほどに使い勝手のいいものは稀で、信用度も幾分下がるものとして使用されている。 なお、ルナ以外の通貨に関しては、時代によって流行り廃りが大きいので割愛させてもらうこととする。―紙幣の登場 復興期以降、時代が下がれば下がるほど経済は発展していき、聖女戦記を過ぎる頃には貨幣にかわり紙幣が中心となってくる。 より多く、より大きな取引を行うには今までの重くかさばる貨幣ではやりとりが難しくなったためだ。 とはいえ、完全に紙幣に切り替わるということではなく、貨幣と紙幣がどちらも使われるようになる。 この頃においても貨幣においてはルナ通貨が圧倒的な信頼がおかれていたが、長耳族は紙幣は発行しなかった(借用書などが紙幣の代わりになることはあったが)。 そんなルナ通貨にかわる紙幣として存在感を示したのは、聖皇女文化圏が発行していた「イリス」という紙幣。 初代女王の名前が付けられたこの紙幣は、あくまでその政治的支配下にある国を中心に使用されるものだった。 が、その支配力と影響力が世界のあちこちに届いたため、基軸通貨の一種として機能するようになったのだ。―紙幣の原型 なお、この紙幣「イリス」の誕生における裏話として、神魔期を代表する宗教団体「ウィアド教」との関連をあげておこう。 当時、世界の半分を操るとまでいわれた「ウィアド教」は、通貨こそ発行しなかったが、あるモノがその代わりを一部務める時期があった。 それは「札」。 ウィアド教内部で使用・発行されていたその札には数字やランクなどが印刷されており、それを元に教団が管理する交換所の物品と交換することが可能だった。 この札は功績者へのいわゆるボーナスのようなものとして渡されたり、配給品の管理用として使用されていた。 そして札を多くもつということはそれだけ多くのものを手に入れられるということであり、何よりその時に欲しい物が無ければためておけて、欲しいときに札をもっていけばモノと交換できる、という貨幣に近い性質をもっていたのだ。 はじめは教団の内部でこれを貨幣の変わりにやりとりするものが現れ、その後教団とゆかりのある業者でも特例的に使用されるようになった。 どうして初代女王イリスがこの話を知っていたのか、それは今回の話題とはずれるので置いておくとして、とにかく初代女王はこの札を元に紙幣というものを作り出した。 そして作られた紙幣は、その経緯から『お札』とか『お刷』などと呼ばれるようになる。―終わりに さて、ざっとではあるがこれでこの世界の貨幣についての話を終わろうかとおもう。 次回は何を話そうか決まっていないが、よければまた付き合って頂けると幸いだ。 それでは本日はこんなところで。 PR