世界観 2016/09/28 ヴォイニッチ ~世界の果て~ おおよそはじめまして、またはお久しぶりで。 『はじまりはじまり』から『おしまい』まで、 パンドラ童話集のあれやこれやに関する情報を収集している私、名前はヴォイニッチ。 本日ご紹介するのは、『世界の果て』について。―パンドラワールドの形状 パンドラワールドの大地は半球…球体を半分で割った形をしている。 いくつかある大陸のいずれにもいえることとして、陸の終わりからは海が広がっている。 そして、海の向こうは断絶されており、海水は落下していく。 君たちの世界でいうところの宇宙のような場所へと… 厳密な意味での世界の果てとはこの海面が落ちるまでのところをさすが、『世界の果て』という言葉を用いるとき、それは別の意味をさすことがある。 それは、世界にいくつかある『異世界への扉』のこと。―異世界への扉 世界の果てには… 人が普通に辿り着くことが難しいいくつかの場所には『扉』がある。 例えば、陸地の東の果て 例えば、はるか海の底、 例えば、空の彼方、 例えば、燃え盛る溶岩の中、 建物などなく、ただ1つ扉だけがそこにある。 扉の向こうはここではないどこかに繋がり、そこでは永遠の命がもらえるとか、地獄のような場所であるとか、いくつかの噂があるのだが真偽は定かではない。 なぜなら扉の向こうにいったものは二度と戻ってくることがないからである。 さらにその扉は一人ではけしてくぐれない。 誰かがくぐるためには、ほかの誰かが扉をあけていなければいけないため、扉の前には常に一人がいなくてはいけないのだ。 故に、扉の前ではしばしば順番待ちが行われることがある。 後から来たものが先に待っていたものを扉の向こうに送るために扉を開けるのだ。 なぜなら、先にいたものもまた、先にいたものよりも先にいた者の為に扉を空け、自分の番が来るのを待っていたのだから。 まぁ、勿論…全ての者が順番を守る律儀な性格だとは限らないわけだが。―扉付近の不思議 さて、扉そのものも十分おかしな代物だが、実は扉がある周辺の地域にもおかしなところがある。 場所によって多少の差があるが、例えば陸地の東の果て… 人間が辿り着けるという意味では、比較的辿り着くのが容易といえるこの扉の周辺では、人が死ねないのだ。 剣で刺せば傷が元通りになり、腹も空かず、年も取らない。 つまり、まるで時間が止まったかのような空間になっているわけだ。 その現象が起きるのが扉のせいなのか、それともそういう場所だから扉が置かれたのかは定かではない。 ただそのおかげで、到達することさえ難しい世界の果てでも、延々と次の者が現れるまでその場にいることが可能であることは間違いない。―扉付近の不思議2 陸地以外の扉で有名な扉というと2つ。 1つは海底の扉。 海底の扉は、かつて反映していた亜人の一種『人魚族』が管理をしていたが、ある時を境にその人魚族がいっせいに姿を消した。 伝え聞く話によると、その人魚族がいっせいに扉の向こうにいってしまったからだという。 2つ目は、空の扉。 もはや人の目には見えないほどの遠い空の上のどこかにあるという扉。 その扉を誰が開けているのかは分からないが、その扉が開いているせいで、星が吸い込まれているのだという。 時折星の位置や形が消えているのはそのせいといわれており、そのため空に星を打ち上げている亜人『長耳族』の仕事も終わることがないのだそうな。―終わりに 誰が置き、何のためにあるのかわからないこの扉。 しかし、ある者はいう…いつか、この扉が誰の手も借りずにいっせいに開く日が来るのだと。 そしてその時、ようやく人々は分かるのだ。この扉の意味と、扉の向こう側のことを…と。 そのある者の言葉が事実かどうか、ここで論議するのはあえて控えよう。 ただ、いずれにしろいえることはある。 扉は、間違いなくそこにあるのだ。 では、本日はこのあたりで。 それでは。 PR